2007/10/24 水曜日

法人登記した商号について商標登録は必要?

Filed under: 商標登録の必要性Q&A — 弁理士 奥 佳晃 @ 1:35:45

【質問】
 法人登記した商号(A社の会社名:XXX株式会社)について商標登録を受ける必要はありますか?

【回答】
 商標登録を受けることができない商標(商標の具体的登録要件)の1つに、

 1)他人の肖像又は

 2)他人の氏名若しくは名称若しくは

 3)著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくは

 4)これらの著名な略称

を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)があります〔商標法4条1項8号〕。

 そのため、B社が「XXX株式会社」について商標登録出願した場合であっても、B社の出願は、原則として、

 『他人(A社)の名称「XXX株式会社」を含む商標に該当する。

との理由で、商標法4条1項8号により拒絶されます。

 しかし、B社が「XXX株式会社」の略称である「XXX」について商標登録出願した場合、B社の出願商標は、

 他人(A社)の名称「XXX株式会社」の略称「XXX」が著名になっていない限り、登録され得ます。

 また、商号商標においては、原則として、「株式会社」等の文字を除外して類否が判断されます。

 従って、A社が商号「XXX株式会社」を商標(自他商品又は役務の識別標識)として使用する場合において、B社の出願商標「XXX」が登録されれば、A社の商号商標「XXX株式会社」は原則としてB社の登録商標「XXX」に類似すると判断されます。

 この場合、商標権侵害が成立することになるので、A社は、

 自社の商号であっても、「XXX株式会社」を商標として使用することができなくなります。

 但し、自己の名称「XXX株式会社」を普通に用いられる方法で表示する場合(製造者表示、販売者表示、サービス提供者表示等)には、B社の商標権の効力は及びません。

 以上のことから、法人登記した自社の商号であっても、

 その商号を商標として使用する可能性がある場合には、別途、その商号について商標登録も受けるのが得策と言えます。

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2007/9/14 金曜日

商標登録は必要?

Filed under: 商標登録の必要性Q&A — 弁理士 奥 佳晃 @ 16:05:13

【質問】
 自己の商標について、商標登録を受ける必要はありますか?

【回答】
〔1〕使用商標が周知商標(需要者の間に広く認識されている商標)になっている場合、使用商標が周知商標になった後に、使用商標と同一又は類似の範囲内で他人が商標登録出願をしても、その出願は拒絶されるので、他人が商標登録を受けることはありません(未登録周知商標の保護)。

 しかし、使用商標が周知商標になっていない場合、使用商標と同一又は類似の範囲内であっても、他人の出願商標は登録を受けることができます。

 また、他人の商標登録出願の前から自己の商標を使用していても、先使用権(商標権に対抗できる正当な権原)は発生しません。

 使用予定商標は未使用の状態で当然に周知商標にはなっていないので、使用予定商標と同一又は類似の範囲内であっても、他人の出願商標は登録を受けることができます。

 上記のようにして自己の商標と同一又は類似の範囲内で他人が商標登録を受けた場合、自己の商標を使用すれば他人の商標権を侵害することになるので、自己の商標の使用ができなくなります。

 これに伴い、
 1)商品、商品のパッケージ、広告(チラシ、パンフレット、看板等)、価格表、取引書類、封筒、名刺、ホームページ、ブログ等における商標の変更に多くの費用・労力が必要になると共に、
 2)ブランド構築のために投下してきた広告費用・労力が無駄になる、

という損失が発生します。

〔2〕これに対し、自己の商標について商標登録を受けている場合、自己の登録商標と同一又は類似の範囲内で他人が商標登録出願をしても、その出願は拒絶されます。

 また、自己の登録商標と同一又は類似の範囲内の商標を正当な権原又は理由のない他人が使用すれば、商標権の侵害が成立するので、その他人に対し、差止請求、損害賠償請求等の権利行使をすることができます。

〔3〕以上のように、
 1)他人の商標登録を排除して自己の商標を安心して使用するためや、
 2)他人による商標の使用を排除するためには、
通常の場合、商標登録を受けておくのが得策です。

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